景品表示法セミナーに行ってきたので簡単まとめ

こちらは actindi Advent Calendar 2019 - Adventar 4日目の記事です。

adventar.org

こんにちは。jinと申します。


アクトインディでは自社メディア

「いこーよ」https://iko-yo.net/

「いこレポ」https://report.iko-yo.net/

広告運用をメイン業務として行っています。

 

皆さん「広告」というと何が思い浮かぶでしょうか?

 

街頭にある看板、新聞等のチラシ、電車やバスの中で見る交通広告、Web広告、、

デジタルサイネージなどが普及し所謂「広告」も刻々と変化しており
近い未来にはICチップが埋め込まれた靴を履いて歩いた歩数に応じてあなたにはこんなサプリメントがおすすめだよ!
と細かくターゲティングされたアプリ広告が表示されたりするようになるらしいです。

今回は広告運用担当のはしくれとして基本に立ち返り
先日景品表示法セミナーに参加してきたので、
日々の業務に関わるところをアウトプットしていきます。

 

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はじめに、、

景品表示法は、正式には、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)といいます。
消費者なら、誰もがより良い商品やサービスを求めるものだと思いますが、実際より良く見せかける表示が行われたり、過大な景品付き販売が行われると、
それらにつられて実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい消費者が不利益を被るおそれがあります。
景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、
過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。

消費者庁HPより)

 

つまり不当な顧客誘引を禁止する法律であり、
消費者の利益を守るためことを目的としています。


セミナーでは違反事例をもとにいくつかのお話が聞けたのですが、
印象的だったのは講師(消費者庁の職員)の方の一言。

 

「事業者のイメージよりも一般消費者のリテラシーは高くないと考えて広告を作ることが大切」

 

これは決して一般消費者(漢字が多いとしんどいのでアクトインディ的に以下ユーザーさんとします)の皆様をバカにしているわけではなく、
どんなユーザーさんが見ても直感的に理解できる広告であることが必要だと個人的には解釈しました。
当たり前なのに見落としがち、でもとても大切なことです。個人の感覚での「フツーこれでわかるでしょ」というのはNGということですね。
(広告に限らずのことでもありますが、、)


業務上様々なクライアントさんから入稿された広告用素材を見てきましたが、

 

何を訴求したいのかわかりづらい
情報詰め込みすぎ→クリエイティブとして見づらい
誤解を招く表現になりそう

 

などなど
もう少し改善したらユーザーさんに興味を持ってもらえるのになー、という入稿素材を時折見かけます。


今回はその中でも

>誤解を招く表現になりそう=不当表示

ここにフォーカスしていきます。

 

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景品表示法では合理的な根拠がないものは全てが不当表示として規制の対象となります。

合理的な根拠の定義とは

 1.客観的な調査に基づいていること
 2.調査結果を正確かつ適正に引用していること

例えばアンケート結果であれば、いつ?どうやって?調査したかなどが明確に記載されていない場合はNGです。

 

下記が景品表示法で禁止されている表示になります。

 

▼優良誤認表示の禁止


根拠のない表現などを用いて商品やサービスを実際より「良く」見せること。
ex)日本一、芸能人も愛用、外国産なのに国産と記載する、など
→事実と異なることや事実無根の表記はすべてNGとなります。

特に芸能人も愛用系は最近問題になったので記憶にある方も多いのではないでしょうか?
(「○○の嫁おススメ」とか「○○も激ヤセ」とか)


▼有利誤認表示の禁止


商品やサービスを実際より「お得」に見せること。
限定性のある訴求を無期限に使用する。など
情報を操作して他社を貶めたり、本当はお得ではないのに特売品のように扱う表記などはすべてNGとなります。

わかりやすい事例としては「いつまでも閉店しない閉店セール」あたりですね。


▼その他誤認される恐れのある表示禁止


優良誤認表示、有利誤認表示とは別に禁止されているもので、
あおりやおとり表現(実際に販売していない商品で誘導する)を使用しているもの。

物件検索サイトで出ていた物件を問い合わせたら実在せず(もしくはとっくに成約済)、
果汁100%飲料と表示されているのに実際は80%だった、など


また、広告でよく

 

 ランチ一律1,000円! ※ただし土日祝は除く
 1か月でマイナス○kg ※効果には個人差があります

 

のような表記を見かけることがあると思いますが、
表記と注釈に矛盾が生じている場合も規制の対象になります。
(「強調表示」と「打消し表示」)
意図的に小さく表示された注釈を見逃してしまい苦い経験をしたことは誰しもあるはず。。


上記のように禁止されている表示について気をつけなくてはいけないのが、
意図しない過失も規制の対象になりうることです。

 

 ・スーパーで毎週水曜卵が98円と広告打ってるのに当日納品されず卵の販売ができなかった。
 ・商品規格が変わったのに変更部分が反映されておらず古い情報が記載されていた。

 

このような場合も規制の対象になってしまうことがあるそうです。


不当表示に該当する?と判断された場合は消費者庁から調査が入り、期日までに裏付け資料を提出しないと不当表示と認定されてしまいます。

不当表示として認定→措置命令が行われた場合、消費者庁のHPで社名や違反行為の内容等が公表されてしまい、(セミナーでいただいたテキストにもバッチリ社名入りで違反事例がたくさんあげられていました、、)マスコミに大きく報道されてしまうことも、、、
そうすると企業のイメージダウンや信用も失うことになりかねません。

利益を追求して行き過ぎた広告表示を行った結果、その広告が不当表示だと認められてしまえば、本末転倒ですよね。

 

「知らなかった」では済まされないので、うっかりにならないように広告担当者は細心の注意をはらっていかないと、、、

 

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当社のメディアでも景品表示法に準ずるとして、掲載する広告については色々な規約を設けており、
特に純広告に関しては掲載可否や入稿素材についての審査を行い(programmaticな広告の場合にまれにブロックをすり抜けて表示されてしまうことがあるのでイタチごっこなこともありますが)、
ユーザーさんの不利益になる広告は掲載しないように日々努めています。
(よりfitするように今後規約改定についても検討中)

 

広告主もメディアもユーザーさんもみんなwin-winになる広告ばかりになることを願って。(完)